上弦の月 下弦の月
「上弦の月」といえば、「よしだたくろう」の「旅の宿」の3番の歌詞に出て来ることを思い出してしまいます。こんなことを書いていると年齢がバレてしまいそうですが・・・。ちなみに「旅の宿」の作詞は、岡本おさみさんです。
この歌詞に出てくる上弦の月ですが、上弦の月と下弦の月について少し解説したいと思います。どちらも半月のことを指します。
まず、「弦」の意味ですが、数学では、円周または曲線上の二点を結ぶ線分のことを弦といいます。しかし、辞書には、「楽器に張り、はじいたりこすったりして音を出す糸。また、それを張った楽器。琴・三味線・バイオリンなどの弦楽器」とあります。必ずしも糸のことを指しているわけではないのです。つまり、半月の直線部分が上にあるとか下にあることを示しているのではないのです。
上下の由来は、太陰暦を使っていた時代に、新月の1日としすると、満月は14日か15日になるはずです。これが十五夜の由来です。半月は、月に2回、新月から満月になる過程と、満月から新月になる過程で見られます。月の前半(上旬)の月(新月から満月になる過程)を上弦の月、月の後半(下旬)の月(満月から新月になる過程)を下弦の月といいます。
満月は、夕刻に東の空から昇り、日の出とともに西の空に沈みます。半月の場合、上弦の月は、正午ごろ東から昇り、夕刻に南中し、深夜に西の空に沈みます。下弦の月は、深夜に東から昇り、朝方南中し、正午ごろ東に沈みます。月は太陽に照らされている部分が明るいのですから、月が沈む時を考えると、上弦の月は直線部分が上に、下弦の月は直線部分が下になることになります。月が沈む時に直線部分が上か下かで判断することは可能です。