ススキ

秋になるとあちこちで見かける植物がススキです。漢字表記には、「芒」と「薄」の二種類があります。また、風になびく穂が動物の尾っぽのように見えることから尾花(オバナ)と呼ばれたり、茅葺き屋根の材料にもちいられることから茅(カヤ 萱)とも呼ばれます。

「芒」という漢字はあまり馴染みがありませんが、「光芒」という言葉が有ります。尾を引くように見える光のすじ。ひとすじの光。「光芒を放つ」「光芒一閃(いっせん)」強い光が伸びていくその先を表すことばで、彗星の尾のようなイメージです。「芒洋」という言葉もありますが、広々として限りのないさま。広くて見当のつかないさま。はっきりとしないようすという意味です。つまり、「芒」とは、長く伸びたその先がもわもわっとまわりに溶け込んでいるような状態を表す漢字で、ススキのイメージにぴったりと重なります。

「薄」の方は、もちろん「うすい」と訓読みして使います。ただ、くさかんむりが付いているように、本来は「草むら」を指す漢字だったらしく、「すすき」と訓読みして使うのは、そこから生じた日本語独自の用法のようです。有名な札幌の歓楽街「ススキノ」は、漢字で書くと「薄野」と書きます。

河の両岸はススキが群生しています。

 

 

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